櫻のブログ

The Confessions of Sakura

縄文土器をつくってみましたー縄文土器の作り方

西東京の多摩にある、東京都埋蔵文化財センターで、縄文土器の製作させていただいたので、縄文土器のつくり方について書きますね。 

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昭和40年頃〜東京のベットタウンとして、多摩ニュータウンの新興住宅地が開発されたのですが、その開発工事の際に付近一帯から、広範囲にわたり夥しい数の遺跡が発見されました。


それは、旧石器時代から縄文、弥生そして近代までの長期の遺跡で、遥か昔からこの土地に人々が暮らしていたことがわかったのです。

多摩ニュータウン遺跡で発掘されたものが、この資料センターに、多数展示されています。

 

わたしは、縄文土器を作ってみたい!と前から思っていたのですが、今回やっと念願がかないました!

 

まず縄文土器の見本4種類から一つ作りたい物を選びますが、わたしが気になって選んだのは、縄文中期前半(BC3000〜BC2000頃)の、勝坂式土器です。


彫刻的な隆起した文様や、動物をイメージした装飾が盛んになってきた頃のものです。(これは実際に多摩ニュータウンから出土した、ホンモノの縄文土器です)

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土器を逆さにして底を見ると、時々葉っぱの葉脈の痕や、編布の織り目あとが残っているものがあります。
そこで、葉っぱを敷いて作り始めます。
この葉っぱは、栃の葉。他には朴木の葉っぱなどが使われたようです。

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粘土は、なんと縄文人が使っていたのとまったく同じもので、その粘土と川砂などを混ぜてあるそう。
多摩ニュータウンNO.248遺跡という縄文時代の土器用粘土の採掘場があり、そこから掘り出した粘土を使用しています!
粘土採掘場には、採掘道具の石器や、運搬用と思われる器が、きれいに並べて残されていたそうです。
それは恐らく、粘土を授けてくれた自然への感謝を表す御供えのような、儀式的な行為の跡ではと考えられているそうです。
アイヌのカムイオマンテ(神送り)等と、類似した思想を持っていたのではないかと考えられています。


土器の底を作ります。粘土を押し付けすぎて、周りがヒビ割れてしまいましたが、続行します。厚さは1センチ弱。

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粘土のヒモを作って、周りに重ねていきます。

重なり合った粘土は、指先で撫でて均します。

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内側はハマグリの貝殻できれいにします。

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そこが素敵ですよね!

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だんだんと高さが出来てきました。

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縁まで出来ました!

この時点で、既に一日半掛かりです!!

 

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器の成型が出来ました。

ではここに、縄文模様を付けていきます。

まずは、竹ヒゴであたりをつけて。

細くした粘土紐を、貼り付けていきます!

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こまかい作業は、細い竹を切った道具を使ってます。

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そして、指先でならす。ここも大事!

爪が長すぎると出来ません。。

 

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装飾的な隆起文を、粘土紐で付けていきます!

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次に、縁の取っ手の飾りを付けるのですが、これが難関だったのです。

わたしは、じっくり集中して作りたいのに、もう時間がない!!状態に。

この三角形の上に、粘土の飾りを付けるのですが、写真を撮る余裕は無かったようです!

 

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竹の棒で、模様を付けていきます。

丁寧に造形していたのですが、

もう、仕上げは駆け足です。泣

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太めの竹の道具で、

必死に模様付けをします。

 

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なんとか完成しました。

実は一箇所模様を付け忘れていますが。

こちらは、正面ではなくて裏面です。

正面の写真は撮り忘れです。

 

この側面のジグザグの三角形の模様は、

最後の三角が半端に終わっていて、割と

アバウトな即興的な模様付けがされているのが、面白いなと思います。

 

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取っ手の部分は、蛇をモチーフにしているのではと考えられます。

この持ち手の穴に、紐を通して吊り下げる事も可能ですが、そのように使用された擦れ跡はなく、純粋に装飾として付けられたものと考えられてます。

(中に水などを入れて吊るしたら、強度的に壊れると思われます)

 

 

さて、出来上がった縄文土器は、暫く乾燥させてから、 古代と同じように野焼きで焼き上げることになります。

 

わたしは、花瓶にしたいと思ってます。

野の草花を無造作に挿して、飾りたいなと思います。

 

野焼きもとても楽しみです!

その様子も、また書いてみます。

 

 お楽しみに❤️